人事領域に投資しているのに、組織状態が上向かない理由
- 7月1日
- 読了時間: 5分
更新日:7月9日
・採用に予算をかけ、人材紹介会社も活用している。
・採用広報や選考プロセスも、外部のプロと一緒に磨いてきた。
・コンサルティング会社に依頼して、人事制度も刷新した。
・育成にも投資している。新卒研修、階層別研修、スキルアップ
研修——費用も時間も、相応にかけてきた。
・数字も見ている。データをもとに、打ち手を考えてきた。
気づけば、人事領域にかなりの資源を注いできた。
それでも、組織状態が良くなっている実感がない。
あるいは、事業の成長スピードに、人事が追いつかない。
課題を一つ解決すると、また別の課題が出てくる。
もし、そんな状態が続いているとしたら、それは、やり方の
問題ではなく、視点の問題かもしれません。
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■なぜ、投資しても組織状態が変わらないのか
理由はシンプルです。
個別の課題を、個別に解決しようとしているからではないで
しょうか。
そして、その課題が他の人事領域とつながっている可能性を
深く調べないまま、同じ領域の中で解決策を探しているから
かもしれません。
たとえば、こんなふうに。
・採用がうまくいかないから、採用を強化する。
でも——採用を強化した結果、その後の組織にひずみが出ない
でしょうか。
入社後の定着や活躍まで含めて、設計できていますか?
・離職が増えているから、育成を見直す。
でも——離職の原因を、年単位で定点観測していますか?
育成の問題なのか、それとも別の何かが潜んでいないでしょうか。
・人事評価への不満が挙がったから、人事制度を刷新する。
でも——評価の何に、不満があるのでしょうか。
その不満は、制度を変えれば解消されるものでしょうか。
反射的に「制度刷新」という結論に向かっていないか、一度
立ち止まる必要があるかもしれません。
組織を俯瞰する視点がないまま個別に手を打ち続けると、全体
として何が起きているのかが見えなくなります。
人事課題には、解くべき順番があります。
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■人事課題を解くときの順番を間違えるとどうなるか
たとえば、土台が整っていない状態でどんなに採用を強化しても、
人は定着しません。
評価制度を変えても、マネジメントの質が変わっていなければ、
現場の不満は形を変えて出続けます。
育成に投資しても、才能を活かす場所の設計がなければ、成長した
人から会社を辞めていきます。
順番を飛ばした施策は、効果が出るまでに時間がかかるか、
そもそも効果が出ません。
そして、これを繰り返すと何が起きるか。
予算と時間を使い続けながら、課題だけが積み上がっていきます。
「また新しい施策を打とう」というサイクルに入り、抜け出せなく
なります。
これは、やり方の問題ではありません。
俯瞰して全体を設計する視点——つまり、CHRO(最高人事責任者)
視点が抜けていることが根本にあります。
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■CHROとは何か
ここでいうCHROとは、単なる役職名の話ではありません。
私が重要だと思っているのは、「CHRO視点」です。
採用、育成、評価、制度といった個別の人事施策を見るのではなく、
「今、何から手を付けるべきか」
「この課題を解決したら、次に何が起きるか」
「3年後の事業成長に対して、今の組織で本当に耐えられるのか」
を考える「軍師」の視点です。
人事部長が人事施策の実行責任を担うのに対し、CHROは人と組織の
観点から経営判断に関わります。
だからこそ、個別最適ではなく全体最適で組織を見ることができる
のです。
そして、人事領域への投資が成果につながらない会社には、この
視点が抜けているケースが少なくありません。
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■あなたの会社に、CHRO視点はありますか?
ここで一つ、確認していただきたいことがあります。
人事制度を改定した後、あなたが人事担当者にこう伝えたとします。
「この制度改定、採用や育成とも紐づけしておいてね。」
このとき、担当者からこう返ってきたことはありませんか。
「それは、具体的に何をすればいいのでしょうか?」
もしこの返答が返ってきたとしたら、貴社にはまだ、CHRO視点が
入っていません。
人事責任者というポストを用意していても、人事を見る役員が
社内にいても、「人事のことはあの人に任せている」という体制が
あっても、それは、CHRO視点があることとイコールではありません。
CHROとは、役職名ではなく、経営と人事を接続して全体を設計できる
「軍師」の視点と判断力のことです。
その視点があれば、人事施策は点ではなく線となり、一つひとつの
投資が、会社の未来へとつながっていきます。
組織は、個別の施策で変わるのではありません。
未来を見据え、全体を設計する視点によって、変わっていくのです。
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