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CxOと部長の違いが曖昧だとどんなことが起きる?

更新日:5 日前



1.そもそも、CxOとは何か

CxOは「Chief x Officer」の略で、会社の経営を担う責任者たちのこと

です。「x」の部分にそれぞれの専門分野が入ります。



●CEOChief Executive Officer)/ 最高経営責任者

責任範囲は「経営」。

経営に関する全責任を負い、最終的な経営判断を下す役割を担う立場。

代表取締役社長がCEOを兼任していることもある。


●COOChief Operating Officer)/ 最高執行責任者

日々の業務執行の責任者。CEOに次ぐNo.2ポジションと考えられる

ことが多い。

CEOの戦略を現場で実行し、業績を出す役割。


●CFOChief Financial Officer / 最高財務責任者)

財務・会計・資本戦略の責任者。

責任範囲は「財務・経理」領域。


●CHROChief Human Resources Officer / 最高人事責任者)

経営戦略に基づき人事戦略を立案し、各人事施策の進捗管理を行う。

責任範囲は「人事」領域。

 


CxOは会社法で定められていない役職なので、企業によって責任範囲や

業務内容が異なるというのが大きな特徴、かつ難しいところ。

そのため、CEOも会社法で定められた役職ではないため、法的な権限や

責任範囲が明確ではありません。


では、CxOと部長の違いを考えていきます。



2.CxOと部長の違い


企業によってCxOの役割は様々なので、求人票を見ていると部長の仕事

内容と同じものが記載されているケースも多いのですが、一般的に

捉えられているCxOと部長の大きな違いは以下です。


●CxO:

「各領域の最高責任者」で、経営の意思決定者

 戦略を描いて舵を取る人。

  ※英語の「Chief」=責任者、「Officer」=役員 という意味です。


●部長:

「自部門の成果を最大化する、業務執行の責任者」。

 戦略を理解し、その実現のための戦術を実行する人。



3.CxOと部長の違いが曖昧な場合に起こりうること


●CxOの役割が会社によって違うので、採用したCxOが自身で想定していた

役割とずれが生じる可能性がある


特に、ベンチャー企業で業務範囲が広い場合に、CxOに実務レベルの仕事や

スタッフレベルの仕事を多くお願いしているケースを見かけます。


任せる業務レベルと職位が合わないと、その結果、支払う年収と任せている

業務のバランスも悪くなってしまうので、フルコミット分の仕事量がない

場合には、厚生労働省が以前から推奨している短時間正社員での採用や

業務委託で一緒に働く道を考えるのも一つの手です。


他の社員もそうではありますが、特にCxOの場合には、コミット時間ではなく

期待する成果やその人のスキルの希少性などで年収や任せる業務を決めた方が

良いと思います。


●上記がミスマッチの原因になり、CxOの早期離職につながる


CxOとして入社した人が自身で想定していた職務権限・業務内容と違うと、

その人のキャリアプランややりたいこととのずれが出やすくなるので、企業側は、

予めきちんと決めておく必要があります。


求職者側は、こういった状況があることを考慮して、企業に面談時に確認したり、

オファーまでにしっかり決めてもらうことをお願いしたほうが安心かもしれません。


●実務部分で何かトラブルが起きた際にCxOも部長と同じくらいその対応に追われる

 →本来行うべき経営レベルの仕事をする時間を捻出しにくくなる


業務レベルのトラブル対応はなるべく部長ができた方が良く、CxOは部長から報告を

もらいながら必要に応じて軌道修正したり、自身が関わるか否かを判断したほうが

組織運営がうまくいきやすいと思います。


CxOは基本的には司令塔や経営レベルの動きをすることを常として、実務を持たない

ようにできると理想的です。



4.CxOと部長の違いを明確化するために整理すると良い要素


整理すると良さそうな要素の例を表にしてみました。

役割を決めると、おのずとそれ以外の要素も決まります。


<CxOの場合>

●責任範囲

・担当領域について、経営レベルのものを具体的に決定

・全社戦略への関与

・経営レベルの意思決定 など


●承認権限領域

上位役員への相談・決裁を必要とせず自身で進めてもらう領域を決定

(承認権限領域を決定する部署と連携して決めておくのがおすすめ)


●必須経験

CxOまたはそれに準ずる役割の経験 など


●期待する成果

会社の状況を考慮し、何を期待するのか、要決定

(1年ごとに決めるのがおすすめ)


●組織との関係性

経営陣との連携をどうするか

取締役会・経営会議・投資家関連会議への参加はどうするか など



<部長の場合>

●責任範囲

・担当部門レベルの業績・組織成果の最大化

・チームマネジメント、施策の実行、KPI達成、経営陣への提言

・現場レベルの意思決定                  など

●承認権限領域

役員への相談・決裁を必要とせず自身で進めてもらう領域を決定

(承認権限領域を決定する部署と連携して決めておくのがおすすめ)


●必須経験

〇〇部門でのマネジメント経験               など


●期待する成果

会社や部門の状況を考慮し、何を期待するのか、部門レベルで要決定

(1年ごとに決めるのがおすすめ)     


●組織との関係性

他部門との連携・調整

参加必須の会議体はどれか                 など


--


「CxOを設置する」となった時に、人事が予め決めるべきことを

整理して会社に提案し、上流部分を固めてから採用活動をしたり

一緒に働きたい人にお声かけしたりしていけると建設的です。


安易な職位の設置によって、志ある人を不幸にしてしまうことが

ないようにしていきたいですね。



人事ってつくづく、会社の未来を作る仕事だな、と思います。



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